GPSウォッチを買い換えて1年(以上)経ちました。
YAMAPを使いたくて・・・となると、1年前はほぼこれ一択でした。
OSはWear OS by Google(旧称 Android Wear)。
iPhone3G時代からのiOSユーザーですが、バッテリーライフが短いし(当時は)オフライン地図が使えるアプリもなかったのでApple Watchは戦力外扱いでした。
という訳で、アウトドアウォッチとして確固たるポジションを持つCASIOのPRO TREKのスマートウォッチ WSD-F30。
WSD-F30にはオフライン地図が使えるYAMAPアプリがあるし、2泊3日無充電で使えるエクステンドモードや1か月充電不要のモードもあるという噂(?)に反応しました。でも調べてみると、YAMAPアプリが使えるのは通常モードのみで、バッテリー的には1日持つかどうかくらい。うーーーーん・・・まだまだスマートウォッチは買い時でないか・・・と改めて思いますが、迷いやすい雪山で厚手のグローブを着けていても地図が見えるというWSD-F30のメリットは大きいです。YAMAPにある膨大なルートを簡単に取り込めるのも便利。(結果論だと思いますが)地図が見たくなる厳冬期(1月末)発売という戦略も見事でした。
気になるのは、発売前に試用された方のレビューは多いのですが、発売後は一般ユーザーからの情報が少ないという点と、GPSウォッチとしてしか使ってない記事が多い点。なので心の底から欲しくなったというより、期待20%不安80%という気持ちだったけどチャレンジ精神と物欲が暴発して購入に至りました。
選んだのはブルー。これまでならオレンジを選んでいたところですがWSD-F30にはブルーが合う気がして。おかげで山以外でも使えます。
ただ、Wear OS by Googleついては、スマートウォッチとして使うにはApple製品ほど直感的じゃないし、まだまだだな・・・と思う面も多いです。
でも、不満点もアップデートにより少しずつ改善されています。機能も増えるし省電力設定も賢くなるし・・・使う側の慣れもあるでしょうが、気付けば便利になっていきます。まるで10数年前のiPhone3Gの頃のよう・・・ (←褒めていない)
で、スマートウォッチ共通の課題であるバッテリーについてですが・・・。
2泊3日無充電で使えるというエクステンドモードは、
「スケジュールを決めて機内モードにしたGPSウォッチとPRO TREKを自動で切り替える」
アプリという感じでしょうか。
"GPSウォッチ"として仕事をする時間を決めて、それ以外の時間はスマートウォッチを終了させて従来のPRO TREKっぽく動作します。日常でも寝てる間はスマートウォッチである必要が無いのでエクステンドモードを活用したいところですが、活動時間はログを取ってしまうので常時活用するのは難しいです。山でも、エクステンドモードではYAMAPが使えない(正確にはYAMAPを使うとエクステンドモードではなくなる)ので、「GPSログを取れるPRO TREK」という位置付けで使うのが良いのでしょうか。毎朝決まった時間に決まった時間をランニングするなら便利かも。
あと、1か月充電不要らしいマルチタイムピースは単にWear OS by Googleを終了させるアプリでしょう。Wear OS by Googleを終了させて、
「PRO TREK Smart(スマートウォッチ)からPRO TREKに替える」
というイメージのツールです。スマートウォッチではなく普通のPRO TREKになるので、1か月はバッテリーが持つ、という感じです。
あとはWear OS by Googleの基本機能として、
- スマホと同じくWiFiやBluetoothをOFFにする機内モード
- スマホからの通知表示がなくなるサイレントモード(通信はしている)
- ユーザーが意図しない状況で画面が変わったり時計が振動しないシアターモード
というモードがあります。
加えてバッテリーセーバーというモードも。これは「Wear OS by Googleを終了させずにマルチタイムピースと同じ状態する」という感じですが、アップデートで挙動もコロコロ変わるのでGoogleとしても試行錯誤中でしょうか。構造的にどう頑張ってもマルチタイムピースにはかないませんが、スマートウォッチとして復帰するまでの時間が速いので「ちょっとバッテリー消費を抑えたい」というときには便利です。
この辺の設定が分かりにくくて仕様が複雑ですが、原因の半分以上はCASIOというよりOS(Wear OS by Google)の問題でしょう。でも、CASIOとしてもかなり説明が省かれていて不親切です。似て非なるものが沢山あるので何をどうすればよいのかわかる人は少ない気がします。他のスマートウォッチの購買層より年齢は高いと思うので、Googleのアップデート内容をフォローし、ブログなどで解説してくれれば嬉しいところです。
さて、目的だったYAMAPの使い勝手は上々です。
スマホのYAMAPアプリから歩く山を検索し、地図やルートを簡単にWSD-F30に転送できます(Wi-Fi環境で作業した方が良いです)。で、現地ではWSD-F30のYAMAPアプリを起動し、地図やルートを選んでスタートさせて、下山時にストップさせれば完了です。簡単です。行動中はスマホを必要としないのでスマホのバッテリーも節約できます。
保存後にWi-Fi環境に入れば歩いたログが自動でアップロードされます。下述のようにディスプレイの視認性がイマイチですが、こんな1.2インチの小さな画面でも問題なく使えました。ズームイン/アウトの際にはグローブを脱いだ方が良いですが、スマホを取り出さずとも現在位置と地図が分かるのはとても便利です。
設定方法はメーカーサイトにも他のサイトにも色々出ています。たまにiPhoneと通信できない事もありましたが、Wear OS by Google/iOS/スマホアプリ/ウォッチアプリと疑わしき部分はたくさんあるので深堀りせずに再設定するのが精神衛生上よろしいかと思います。
行動中のバッテリー消費については、日帰りハイクならYAMAPを使い続けても大丈夫だと思います(機内モードにした状態で行動は日照時間内)。ご飯休憩などの際にでも充電しておくと有事の際でも安心です。バッテリー容量が小さい分、充電も速いのです。
あと、僕の中で利用頻度が高いのはアクティビティアプリのサイクリング。
画面上では地図が表示されるので現在位置がわかるし、走行後は自動で行動時間や走った距離などをGoogle Driveにkmlファイルとして保存してくれるので、Google EarthやGoogle Mapで走ったルートを見ることもできます。
(設定すれば)自動でGoogleカレンダーに事後のスケジュールとして登録してくれます。
表示する地図は予めダウンロードしておけますが、ダウンロードしなくてもスマホと接続しておけば都度取得してくれます。バッテリー消費に関しては、丸1日(日照時間内)遊んでもギリギリ大丈夫。でも郊外に出るならモバイルバッテリーは持っておきたいところです。
アクティビティアプリにはトレッキングもあるので、YAMAPのルートを必要としないならこれで山登りの履歴を管理することもできます。ただ、国土地理院のをベースとしているYAMAPの地図と比べるとやはり劣ります。
他にもフィッシング/パドル/スノーのモードがあります。
WSD-F30はボタンのカスタマイズができるので、右上をYAMAPに、右下を方位計測/高度計測/気圧計測/日の出・日の入り時刻表示などを見れるツールアプリに割り当てています。
アクティビティアプリは毎回起動することになりますが、利用頻度の高いアプリはすぐ使えるようになっているので手間はかかりません。
いつの間にかこんなアプリもインストールされていました。
時代ですね。
普段使い・・・スマートウォッチとしての使い勝手ですが、おサイフケータイになる訳ではないし、iPhoneとの組み合わせだとできない事も多いですが(「Android、iOS機能比較表」)、スマホを見ずともメールや電話の通知をチェックできるのは便利です。ちょっとした機能も(たまに)便利です。
特に僕はスマホを四六時中サイレントモード(マナーモード)にしているので着信通知は助かります。また、iPhoneの音楽プレイヤーのコントローラーになるのも嬉しかったりします。Amazon Musicももちろん大丈夫。ボリューム操作はできませんが。
バッテリーに関しては、通知を受ける状態でも丸1日は余裕で持ちます。この辺は買った当初より改善されているようです。
最後にハードウェア面の不満で言うと、もう1つのWSD-F30の目玉でもある二層構造ディスプレイ(有機ELディスプレイ+モノクロ液晶)ですが、正直屋外での有機ELの視認性はイマイチです。サングラスとの相性が悪いのはまぁしょうがない面もありますが、謳うならもう少し頑張ってほしかったトコロです。ここが最大の残念点。二層構造は省電力化には貢献しているでしょうけど。
また、価格的にも電卓やカメラの業界では価格破壊を行ってきたCASIOですが、他社と比較して高過ぎはしませんが特別安くはありません。G-SHOCKやPRO TREKという自らの市場は破壊できないのでしょうね。
とても大事な充電機能については、前モデルから不評だった外れやすいコネクタは改善されていないようです。別売りのアダプターを付ければ回避できますが、持ち歩くには邪魔だし高いです・・・。とりあえずはサードパーティー製の充電用ケーブルを買いました。こっちの方が磁力が強く、microUSB(もしくはUSB Type-C)のケーブルの先端に付けられるのでモバイルバッテリーとの相性が良いです。
ベルトも通常サイズのウレタンバンド1種類。別売りでハードシェルの上からでも装着できるクロスバンドもありますが、これまた高いです・・・。アウトドアウォッチを名乗るなら同梱してほしいです。
標準で付いているベルトも微妙に腕に合わず好きではないですが、サードパーティー製のベルトに交換できるのでそこまでの不満はありません。でも幅23㎜ってマイナーなので20mmや22mmなら良かったなぁと思います。社外品に交換する際にはベルト装着用ピンも別途購入しなければいけません。
ちなみに僕はベルクロが嫌いなのですが、アウトドアウォッチ用腕時計のベルトは無段階調整できるベルクロが好きです。特にWENGERのベルトがお好み。
腕に直接でもアウターの上からでも簡単に巻けます。取り付け部分は20mmとちょっと細いのですが、目に入る部分は25mmあるのでWSD-F30でも違和感は少ないです。今はMYOGしたベルトを入れています。
温度計や心拍計は付いていません。個人的には心拍計を使うようなアクティビティならもっと軽い腕時計の方が良いと思うし、心拍を取るには肌に直接&ズレないようにきつめに装着する必要があるので僕は使いません。ただ、温度計はGPSや気圧計と合わせて標高を計測にも使えるはずですが・・・内蔵してもいないのかな?
そんな感じのPRO TREK Smart WSD-F30。「腕にYAMAPを!」と思うなら確かに便利です。
もっと言うと「山ではYAMAPが使えて、街ではメールなどの通知が来て、自転車ではサイコン無しでも楽しめるPRO TREK!」と思えるなら買って損はしないかもでしょう。
PRO TREK + YAMAP + α
ですね。
スマートウォッチとしての出来はWear OS by Googleの今後のアップデートに掛かっています。でもCASIOの情報発信力&継続性も大事です。ニュースレターに登録しても新製品の情報くらいしか届きません。
iPhoneユーザーとしては次期Apple watchも気になりますが、新製品ではなく、WSD-F30のUPDATEも期待します。
えらい長文になってしまいました・・・。
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コメント
コメント一覧 (2)
私も山歩きを時々に週末はだらだら走ることをしており
いつも興味深く拝見させていただいております
今回、PRO TREK Smart WSD-F30の記事だったので
コメントを投稿させていただきます
私も山歩きを始めた頃からPRO TREKを使用しており
貴兄と同様にYAMAPを使うために同製品を購入しました
1年ほど使用した結果手放して、現在はGARMIN fenix5を使用しております
手放すことになったのはインターフェースの雑多さに嫌気が差したこと
OSを含むソフトウェアの品質があまりよろしくなかったためです
インターフェースの雑多さはYAMAPの地図を扱うために
本体のボタンとタッチパネルの操作が必要なことが受け入れ難く
特にタッチパネルを操作するためにはグローブを外さざるを得ず
落とすというリスクを考えると冬山では致命的です
ソフトウェアの品質については、アップデートを重ねるごとにiPhoneとの
同期がうまくいかなくなり、度々リセットが必要になるなどの現象が
頻発する様になりました
上記2点ともにWearOSという汎用的なOSを使用していることに
起因していると思います
ともに使い方、個体の要因があるかと思います
どのような使い方をされるのか今後時々記事を掲載していただければ
拝見したいと思います
山道具の記事も楽しみにしております
突然の長文、失礼しました
LeFennec1765さん
こんばんは。コメントありがとうございます!
いやぁ・・・わかります!僕も何度は手放そうかと・・・と、悩んでいるうちにちょっとずつ買いやすくなってます。ホントちょっとずつですが。
通信エラーですが、何かの大幅アップデートで一度初期化しましたが、それ以降つながらないという状況にはなっておらず安定してきたようです。
とはいえGARMINの方が上ですよね。WSD-F30が上なのはYAMAPとの連携の良さ(手軽さ)だなと思ってます。
また別の使い方見つけたらポストしようと思います。